合同会社とは


合同会社とは、株式会社、合名会社、合資会社と並ぶ日本の会社形態のひとつであり、アメリカのLLC (有限責任会社)という会社形態をモデルに、日本で導入されました。

合同会社は株式会社に比べて認知度や対外的信頼といった点で劣ると言われることもありますが、今では多くの有名企業も合同会社として活動しています。例えば、「グーグル合同会社」「アップルジャパン合同会社」などがあります。
合同会社は、出資した人が会社の所有者(経営者)となるため、所有と経営が一致しているという特徴があります。出資者すべてが社員(株式会社でいう役員)となり、基本的には、社員は出資額に関わらず平等に決定権を有しています。


合同会社と株式会社の主な違い

合同会社を設立するメリットは、設立費用の安さ、意思決定スピードが速い、決算公告の手続きが省けることです。
一方、株式会社と比べたときに信用力や資金調達面で劣る部分もあります。将来の成長戦略や経営方針、リスクを考慮し企業の状況に適した形態を選ぶようにしましょう。


募集設立

  • 会社設立時に株式の一部を発起人が引き受け、残りは資本金を出してくれる人を募集し、
     発行した株式を発起人以外の他の人にも引き受けてもらう方法です。

     募集の方法としては新聞、インターネットなどを使った一般募集の方法と親類・友人・知人に株式を引き受けてもらう縁故募集といった方法があります。


合同会社設立のメリット・デメリット

合同会社のメリット

合同会社には大きく3つのメリットがあります。

出資者は有限責任しか負わない

合同会社は、他の持分会社である合名会社や合資会社と違って、出資額の範囲内でしか責任を負わなくて済む有限責任社員のみで構成されています。

もし無限責任社員ならば、会社が出資額を超える債務不履行に陥った際に、出資者である個人が全財産を用いて弁済しなければいけません。

しかし、有限責任社員であれば、債務の弁済責任は出資額までで済みます。

法人格を安い設立費用で持てる

合同会社は、株式会社と違って定款の認証が必要ないため、認証手数料の負担がなく、定款の収入印紙代と設立登記の登録免許税だけで設立できます。

定款は書面発行の場合は収入印紙代として4万円が必要ですが、電子定款ならば収入印紙代は不要です。また、登録免許税は資本金の1000分の7に相当する額ですが、6万円未満ならば6万円を支払うため、最低6万円で法人格を取得できます。

自由度の高い経営を行える

合同会社には出資した社員しか存在しないため、株式会社のように外部の株主が議決権を持つ機会がなく、出資者同士の合意のもとで作成された定款に沿って、ある程度自由な経営が可能です。

また、定款の自由度が高く、出資比率に合わせて議決権に差をつけたり、経営に参画する社員を限定したりするのはもちろん、利益の分配比率の調整も可能です。 

 

合同会社のデメリット

合同会社には株式会社にないメリットがありますが、デメリットもいくつかあります。

資金調達に苦慮する恐れがある

合同会社は社債発行による資金調達はできますが、株式会社の第三者割当増資のような調達ができません。

金融機関からの融資や補助金、助成金の利用などに頼らざるを得なくなる恐れがあります。

信頼性は株式会社に劣る

合同会社でも、事業内容や社会貢献度によっては知名度も高くなります。

しかし、株式会社のように出資者であり会社の所有者である第三者からの監視がないため、自由度の高さから信頼を得にくい可能性があります。

上場ができない

合同会社は、各種証券取引所に対する株式の上場ができません。

上場を目指すならば株式会社に変更するか、別途株式会社を設立する必要があります。 

基本事項の決定~設立までの流れ

合同会社は、以下のような手順で設立します。

1.会社設立の目的など基本事項を決定する

設立する合同会社の社名や事業内容、本店の所在地、資本金の金額など、会社を設立する上で必要な基本事項を出資予定者同士で取り決めます。

2.定款を作成する

会社の根本原則をまとめた「定款」を作成します。合同会社の場合は、株式会社と違って公証人の認証は必要ありません。

3.会社の印章を準備する

合同会社の設立にあたって登記を行う際に、会社の印鑑が必要になります。定款の作成と並行して代表者印(実印)や銀行印、角印などの印章を準備します。

4.出資を行う

定款に記載した額の出資を行います。

金銭や、出資額に相当する不動産や有価証券、車などを出資する現物出資も可能です。

5.登記申請を行う

設立登記は、本店所在地を管轄する法務局に申請します。

合同会社の設立登記申請には、「合同会社設立登記申請書」「登録免許税の収入印紙貼付台紙」「定款」「代表社員の印鑑証明書」「払い込みを証する書面」「印鑑届書」が必要です。

6.設立後に必要書類を各所に提出する

会社は登記完了後に設立されますが、年金事務所や税務署、区役所などに必要書類を提出しなければいけません。

年金事務所への提出書類は以下です。

  • 健康保険・厚生年金保険新規適用届
  • 健康保険
  • 健康保険被扶養者(異動)届(被扶養者がいる場合)

また、税務署への提出書類は以下です。

  • 法人設立届出書
  • 給与支払事務所等の開設届出書

なお、本店を置く市町村役場などには、法人設立届出書の提出が必要です。地域によって別途書類を求められる可能性があるので、管轄の区役所などに確認しましょう。


まとめ

合同会社は、出資者が会社の経営権と所有権を持つことができる持分会社の1つです。

定款作成の自由度が高く、設立費用も安く抑えられるため、小規模事業を行う際に選択されやすい会社形態です。

株式会社よりも、第三者による監視が行われないなどの理由で信頼性に劣るなどのデメリットはありますが、有限責任でありながら経営の自由度が高いメリットがある点を覚えておきましょう。